ブラジル初のＳＡＲＳ感染被疑者、容態回復に

　【サンパウロ８日綾村悟】ブラジル・サンパウロのアルベルト・アインシュタイン病院関係者は七日、ブラジルで初の重症急性呼吸器症候群（ＳＡＲＳ）感染被疑者となり、同病院に隔離後、治療を受けていた英国人女性（42）の容態が急速に回復しているとの最新容態経過を報告した。
　感染の疑いがもたれているのは、先月末に自動車レースのフォーミュラ・ワン（Ｆ１）・レースの取材目的で入国した英国人ジャーナリストで、ブラジル入国前に取材目的などでマレーシアやシンガポールを訪れているという。
　同女性にＳＡＲＳの感染が確認されれば、中南米では初のＳＡＲＳ発症例となるが、病院関係者は女性の肺炎原因がいまだ特定されていないと説明している。現在、感染理由の特定が急がれているが、ＳＡＲＳ感染の特定に使われる細菌テストでは既に「シロ」の検査結果が出ており、ウイルス検査の結果判明にはあと数週間かかる見込みだという。