【ねこまたぎ通信】

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名付けて袋のネズミ作戦=ジハード ぎゃははははははは

イラク戦争:バクダッド攻防は必至の情勢

 米英軍の地上部隊は驚異的な速度でイラクの首都バグダッドに迫り、ブッシュ米大統領は23日の記者会見で、「目標を達成しつつある」と自信を示した。しかし、米兵の戦死や捕虜になるケースが目立ち、「快進撃」への疑問も出てきた。一方、フセインイラク大統領は24日の演説で「徹底抗戦」を改めて宣言、降伏や亡命の意思がないことを明確にした。イラク戦争が、最終局面とも言える「バグダッド攻防」になだれ込むのは必至の情勢だ。

 ◆電撃侵攻への疑問

 20日、クウェートからイラク南部に侵攻した米英軍のうち、特に米軍は「敵と遭遇すれば撃破する」という戦術で前進した。バスラなどの都市に本格的に進駐して完全制圧する方針はとらず、バグダッドをめざして砂漠地帯を北へ進撃した。

 その結果、2、3日中にもバグダッド付近に到達する見通しとなったが、先を急ぐ本隊が、戦闘能力の低い補給部隊を後方に置き去りにする傾向も目立ち、これがイラク側の待ち伏せ攻撃を招いたケースもある。

 イラク側はもともと砂漠地帯での接近戦では勝ち目がないとみて、首都決戦に備えたフシがある。ブッシュ大統領イラク南部の大半を制圧したと述べたが、実際には主要な「線」を確保しただけで「面」の支配ができていない。このままではゲリラ攻撃の犠牲が増えるばかりだという専門家の声が高まっている。

 ◆市街戦

 マイヤーズ米統合参謀本部議長は23日、出演したテレビ番組で、可能ならバグダッドでの市街戦なしで戦争を終結させたいと語った。米兵や一般市民の犠牲が増えれば米国内外の批判が高まるのは必至だからだ。

 米軍は23日、イラク軍最精鋭の共和国防衛隊の中で首都南方に布陣するメディナ師団の指揮所、機甲部隊、火砲を、対戦車ヘリや地対地ミサイルで攻撃した。化学兵器などを搭載した砲弾が使われる可能性に備え、特に火砲を破壊したいという狙いからだ。

 また、ラムズフェルド米国防長官は同日のテレビ番組で、イラク側がバグダッド市内のモスク(イスラム寺院)や病院、学校などの近くに兵器類を集めており、空爆が難しいと指摘。さらに、イラクの放送・通信機能を断ち切るため、テレビ局や通信施設付近の住民に避難を呼びかけた。

 こうした状況からみて、米軍は首都近くに到着しても直ちに市街戦には踏み切らず、投降を促す工作や圧力のための爆撃を一定期間、続けるものとみられる。

 ただ、こう着状態を長期化させる意図はなく、新月となる4月2日前後には陸上攻撃に進む可能性が高い。

 軍事専門家によると、米軍の暗視ゴーグルは星明りだけでも1キロメートル先の敵を識別できる。旧ソ連製のもので100メートル先が見える条件なら、500メートルは見通せるという。

 ただ、23日付の米紙ワシントン・ポストによると、米国務省はロシアが民間企業による軍需用品の対イラク輸出を取り締まっていないとして22日、ロシア政府に抗議した。その品目の中に「数千個の暗視装置」が含まれている。イラク側も暗視装置を持っていることになる。

 一方、別の軍事情報筋によると、バグダッドの地下には広大な地下ごうが張り巡らされており、米軍はこの全容を把握していないはずだという。神出鬼没のイラク部隊を追い詰めるのは困難で、米側の大きな弱点になるという。【ワシントン中島哲夫、藤原章生

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 フセイン大統領は当初から首都バグダッドを主戦場とし、守りを固めているとされる。消息筋などの情報を総合すれば、フセイン政権は実際の「首都攻防」にあたり、バグダッド周辺の外周に国軍を配置、その内側に市内中心部を守るように、精鋭部隊の共和国防衛隊、大統領警護隊に加え、ゲリラ部隊「フェダイン・サダム」や外国からのムジャヒディン(イスラム聖戦士)による雇い兵部隊を配置するものとみられる。約500万人を抱える大都市バグダッドでの戦闘では多くの市民を「盾」に戦うことも可能で、泥沼の市街戦を展開して勝機を見出す狙いとみられる。

 共和国防衛隊は、この戦闘に合わせてイラク北部のメディナ師団、南部のハンムラビ師団などが配置されているといわれる。詳しい配置現況は不明だが、メディナ師団が首都の南方、ハンムラビ師団が西方、それにアルニダ師団が東方を固めているとの情報がある。

 また、大統領警護隊(特別共和国防衛隊)は第1〜4旅団のほか防空部隊、戦車部隊があるとされ、そのほとんどが普段はフセイン大統領が執務を取るバグダッドの大統領宮殿(共和国宮殿)周辺に配置されている。だが、米英軍の大規模空爆で大統領宮殿は大きな被害を受けた。大統領警護隊の配置は不明だが、共和国防衛隊の背後で大統領と家族の警護に専念するとの見方が強い。

 バグダッド周辺は広大な平野だ。山岳地帯のアフガニスタンのように、洞くつや山陰に隠れながらの戦闘は不可能だ。イラク側は住宅や商店街の密集地を利用することで戦闘を有利に進めるものとみられる。また、フセイン大統領は地下に長い通路と広い隠れ場所を作っているとの情報もある。イラク人ジャーナリストは「縦横に張り巡らした地下を利用することで、米英が標的とする大統領の居場所特定を困難にするつもりだ」と解説する。

 また、イラク南部ナシリヤ近郊の戦闘に投入され、米兵に10人弱の死者と12人の行方不明を出させたフェダイン・サダムは、大統領の守備を最大の目的とする。米英軍がバグダッド市内に入った場合は、民間人を装ったゲリラ戦を展開する可能性もある。また、ムジャヒディンがバグダッド自爆テロ訓練を受けているとの情報もある。

 これまでの南部で戦いぶりを見る限り、イラク軍は予想外の士気を維持している。バグダッドに配備される部隊は「精鋭中の精鋭」だけに、米英軍が厳しい抵抗に遭うのは疑いない。【アンマン小倉孝保

毎日新聞3月24日] ( 2003-03-24-21:09 )