【ねこまたぎ通信】

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イラクで解放のシリア系カナダ人、人質体験「悪夢のよう」

2004.04.26
Web posted at: 12:09 JST - CNN

(CNN) イラクで武装グループに2週間にわたり拘束されたシリア出身のカナダ人が25日、地元モントリオールでCNNに対し、スパイと間違われて「悪夢のようだった」人質体験を語り、「なぜ解放されたのか未だに分からない」と話した。

ファディ・ファデルさん(33)は、難民救援活動などにあたる国際的な非政府組織(NGO)「国際救援委員会(IRC)」のメンバー。イラク南部の子供や若者に人道支援を提供するユネスコ支援事業の担当者として、イラク入りしていた。

4月上旬、「アンサル・ディン」を名乗る武装グループに拘束され、南部ナジャフに移動させられた。同じく拘束された、東エルサレム出身のパレスチナ人キリスト教徒ナビル・ラズークさん(30)と、ナジャフで一緒になった。ラズークさんは、米国際開発庁の支援事業ナジャフ復興に携わっていた。

ファデルさんはCNNに、「最初の48時間は悪夢だった。死ぬんじゃないかと何度か思った。神を信じて、たくさん祈っていた」と話した。

武装グループは、ファデルさんが家で寝る準備をしているところにいきなり押し入り、目隠しをして後ろ手に手を縛った。カナダのパスポートを確認すると、ファデルさんを車に乗せて連れ去った。最初の数日間、武装グループはファデルさんを殴ったり叩いたりし、タバコを押しつけて火傷を負わせるなどの拷問を繰り返した。

「私がイスラエルのスパイで、連合軍の協力者だと自白させたかったみたいだ。しかし私は、自分が人道活動家で、子供たちを助けるために来ていると繰り返した」とファデルさんは言う。

ビデオカメラを前に、ファデルさんは無理矢理、「イスラエルの協力者」だと言わされた。犯人たちがカラシニコフ銃を向けていたから、命じられたとおりに言うしかなかったとファデルさんは話す。

ファデルさんによると、武装グループはファデルさんがイスラエルの情報機関「モサド」の工作員だと思っていた模様。イランテレビが放送した犯行声明ビデオでは、覆面の男が「占領軍の捕虜」とファデルさんたちを読んでいる。

「どうしてかわからない」まま4月16日に解放され、モントリオールに帰国したファデルさんは、「治安状況が改善し次第、またイラクに戻りたい」と話す。アラブ系の自分にとって「イラクに行くことは個人的な目標だった」と言うファデルさんは、「人道支援の活動家は、あの国に戻る必要がある」と述べ、イラク民主化に協力したいと意欲を示した。