【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

右往左往する日本政府

世論を二分している大義なき戦争を支持し参加した報い、
イラク人のために復興支援しているという名目の海外出兵の罰

 思わぬところからタマが飛んできた小泉政権が大揺れだ。小泉首相は「政府を挙げて懸命に人質救出に当たりたい」とコメントしたが、目立つのは狼狽ばかりである。
 カタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」から日本人3人の拘束情報が寄せられた8日夜、外務省と警察庁は大慌てで対策本部を設置した。翌9日午前には、政府は新たに福田官房長官を本部長とする「在イラク邦人人質対策本部」も立ち上げた。政府だけじゃない。自民党公明党も、それぞれ党内に対策室を設けている。政府も与党も大急ぎで、何とか形だけは整えてみせたのだ。
 しかし、それで事態は好転するのだろうか。「対策」の看板ばかりズラリと並んでいるが、成果はちっとも上がっていないから話にならない。
「事件の発覚から1日以上経過したというのに、日本政府には犯行グループの特定につながる情報は寄せられていません。『生きたまま焼き殺す』としている11日夜まで、残された時間はわずかしかないというのに、相手の正体や本当の狙い、接触方法さえ分かっていない。これでは交渉などできません。小泉以下、福田官房長官、川口外相など関係閣僚は、そろって“一日も早い救出に全力を挙げる”と言っています。
 しかし、犯行グループについて何も分からないのに、一体全体、どうやって救出するつもりでしょうか」(外交事情通)
 空念仏を唱えるだけの小泉には“身内”も怒り心頭だ。河野洋平衆院議長は「小泉首相はどう対応するのか、国民にもう少し丁寧にキチンと説明する必要がある」と批判したが、当然だろう。
 このまま手をこまねいていると、本当に焼かれる最悪の事態を迎えかねないのだ。

▼ 小泉の「米国従属」が招いた民間人人質事件 ▼

 今回の事件の引き金が小泉の“米国隷属”にあるのはハッキリしている。国際問題評論家の山岡清二氏が言う。
「犯行グループは声明文の中で『米軍に協力した』と日本を非難しています。もちろん彼らの論理がすべて正しいわけではありませんが、米国を支持したり、言われるままにイラク自衛隊を出した日本政府の態度をやり玉に挙げているのです。今回の事件を招いたのが小泉首相対米追従政策にあるのは間違いありません。それなのに小泉政権は、この期に及んでも、“自衛隊は撤退させない”と強弁して、米国の意向に従おうとしているのだからあきれます」
 小泉は9日、記者から自身の責任について聞かれ、「私自身の問題ではない。国全体の問題」と逃げた。しかし、ブッシュのご機嫌を取るために、大義のない戦争を真っ先に支持したのは小泉本人じゃなかったか。
 陸自先遣隊がイラク入りする直前にマスコミ各社が実施した調査では「派兵反対」が過半数を占めていた。そんな世論を無視してブッシュの戦争を支持し、2人の外交官が殺害されても占領への参加を強行したのも“ポチ首相”だ。


■ ≪人質事件≫この政権に任せられるか?

第一報が入った直後、小泉首相が酒を飲んで話していたコト

▼ 石破防衛庁長官も9時までノンビリ… ▼

 小泉首相の「人質事件」への初期対応に批判が噴き出している。事件を知らされながら、すぐに対応に乗り出さず、都内のホテルで2時間も宴会を続けていたからだ。
えひめ丸」沈没の連絡を受けながら、ゴルフをしていた森前首相とまったく同じケースである。
 外務省にアルジャジーラから「日本人3人が人質になり、撮影されたビデオがある」と連絡があったのは8日の18時20分。外務省は18時30分には「対策本部」を設置。18時45分に首相に第一報を入れている。
「首相に連絡が入ったのは、この日の夕方に予定されていたマスコミとの会食が始まる直前のことです。日本人3人が拉致されたと知らされれば、会食をキャンセルして官邸に飛んで帰るのが常識です。ところが、首相は事件を気にかけるそぶりも見せず、2時間も飲み食いし『最近の新聞記者は……』とか話していた。その間、席を外して指示を与えることもなかったといいます。もし、犯人から緊急に要求があったらどう対応するつもりだったのか。“危機管理”以前の問題です」(自民党関係者)
 酒が入った首相は、官邸で指揮を執ることもなく、そのまま公邸に帰っている。ついでに言うと、石破防衛庁長官も夜の9時まで宿舎でノンビリと過ごしていたのだ。
日刊ゲンダイ