キューバ外交団がブラジル各省庁を訪問

　【サンパウロ11日綾村悟】ブラジル通信が十日報道した内容によると、同国を訪問している外国貿易担当大臣を含むキューバ外交団は九日、ブラジル側の大蔵省や都市計画省ら各大臣と面会し、キューバとブラジル間の貿易拡大や都市計画の協力を要請したという。
　左派系のルラ・ダシルバ現ブラジル大統領は、野党時代からキューバのカストロ議長とは親交があり、今年一月の大統領就任式典にもカストロ議長を始め、同じく左派系ポピュリストのチャベス、ベネズエラ大統領を招いている。

　カストロ議長下での共産党独裁が続くキューバは、現在、民主運動家の大量弾圧に関し、米国やカナダ、欧州連合（ＥＵ）の各政府だけでなく、人権団体や国連などからも相次いで非難を浴びている。今回のキューバ外交団によるブラジル訪問は、農産物の輸入や経済支援などで、今後、米政府などによる制裁措置が取られることを見据えている可能性もありそうだ。