５月にも全路線一時休止か−キャセイ航空

ロイター通信によると、香港の大手航空会社、キャセイ航空（ＣＸ）は五月から毎月の乗客総人数が六千人以下になった場合、全路線の定期便を一時休止する可能性が出てきた。
　キャセイ航空本社が社員向けに出した通達によると、新型肺炎（ＳＡＲＳ）の影響で定期便の乗客数が下落を続けており、五月以降、毎月の総乗客数が六千人を切った場合、旅客定期便の全路線を一時休止する措置に出る可能性を伝えている。

　キャセイ航空は、ＳＡＲＳの影響で一日当たりの損失額が約三百万㌦に上っているが、旅客便全便を休止すれば被害額は一日当たり約二百万㌦にとどまる。このため、ＳＡＲＳ騒ぎが長期化の様相を呈した場合、経営陣としては全便を休止する決断を下す可能性があることを示唆しているという。

　香港国際空港の航空管理局によると、四月分の同空港発着便のうち、取り消しが決まっているのが五千二百八十便で前年同月比33％減。四月一日から十一日現在までの同空港利用客は約三十万人で前年同期比70％減となっている。また、同局によると、十二日の同空港発着定期便のうち取り消しになったのは百七十便で、全便の約三分の二を占めている。