【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

 人身事故

JR西日本では4日連続で5件の人身事故が発生しています。
GDP過去最悪に悲観したのか、豚フル蔓延に復活の日を垣間見たのか、女の子のお尻に見とれて足を滑らせたのか、単なる事故なのか判りませんが、こんな感じです。

2009年5月21日
9:55 【阪和線】 人身事故 運転見合わせ


2009年5月20日
19:44 【山陽線】 人身事故 運転見合わせ


2009年5月19日
8:06 【山陽本線】 人身事故 運転見合わせ
17:02 【琵琶湖線】 人身事故 運転見合わせ


2009年5月18日
21:48 【大和路線】 人身事故 運転見合わせ

今日山陽新幹線で線路内に人の立ち入りがありました。「人身事故」には至らなかったようですが。
いつも「人身事故」として報道されていますので、自殺なのか事故なのかよくわかりません。
で「人身事故(鉄道人身障害事故)」って何?っと思ってちょっと調べてみますと、

鉄道事故等報告規則

第三条  この省令において「鉄道運転事故」とは、次の各号に掲げる事故をいい、その意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一  列車衝突事故 列車が他の列車又は車両と衝突し、又は接触した事故をいう。
二  列車脱線事故 列車が脱線した事故をいう。
三  列車火災事故 列車に火災が生じた事故をいう。
四  踏切障害事故 踏切道において、列車又は車両が道路を通行する人又は車両等と衝突し、又は接触した事故をいう。
五  道路障害事故 踏切道以外の道路において、列車又は車両が道路を通行する人又は車両等と衝突し、又は接触した事故をいう。
六  鉄道人身障害事故 列車又は車両の運転により人の死傷を生じた事故(前各号の事故に伴うものを除く。)をいう。
七  鉄道物損事故 列車又は車両の運転により五百万円以上の物損を生じた事故(前各号の事故に伴うものを除く。)をいう。

『列車又は車両の運転により人の死傷を生じた事故』というのは、「明らかな自殺者」を含まないのだそうですね。ここで意味しているのは、酔っぱらって線路内に入って撥ねられたとか、ホームから落っこちて轢かれたたとか、ドアにちんこを挟まれたとか、そういう事故のことをいうんですね。
自殺かどうか発生状況だけではよく判らないケースというのは、「人身事故」と発表・報道されるようですが、「明らかな自殺」の場合は、同条の3「輸送障害」になるそうです。
この場合、

一  三時間以上本線における運転を支障すると認められるもの
二  特に異例と認められるもの

以外は関係機関に報告義務はないそうです。
つまり、「明らかな自殺」で3時間未満で処理される場合は、「輸送障害」の記録は残さなくて良いということです。不可抗力なので運行に大きな支障がなければ問題なし、ということです。
ただし、運行状況の情報提供や報道に載せないということではありませんし、多くの場合自殺であるのか無いのかの判断は難しいでしょうから、速報として「人身事故」とされているのではないかと推測します。
ちなみに、平成17年度の資料では、

○人身障害事故は近年、ほぼ横ばいで推移し、運転事故全体の約4割を占める。
* 17年度の人身障害事故件数は368件で、運転事故全体の42.9%を占める。
* 線路内立入りによるものが204件で、人身障害事故の55.4%を占める。
* ホーム転落やホーム上の接触によるものが150件で、人身障害事故の40.8%を占める。
* 身体障害者の方が死傷した人身障害事故は 3件。
* 前年度342件、そのうち線路内立入りが208件、ホーム関係が118件。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/08/081006_.html

最近の発生件数(鉄道全体)

  • 平成 7 363件
  • 平成12 332件
  • 平成15 340件
  • 平成16 342件
  • 平成17 368件

http://www.stat.go.jp/data/nihon/26.htm

詳しいところは判らないですが、統計ではやはり自殺者は含まれないようです。
「人身事故」というとすぐ「自殺」を思い浮かべてしまう昨今ですが、「人身事故」報道で知る私たちの印象や類推と統計上の「人身事故」とでは随分違うようですね。
つまり、速報報道・発表される「人身事故」のうち、自殺は国交省総務省の統計から除かれてしまうということなのでしょう。「輸送障害」としての記録も残らない。
実際の鉄道による自殺というのはどうなんでしょうか?
警察庁の統計概要を見る限りそういう自殺手段の分類はないようです。


それにしても、こんなに毎日「人身事故」があって鉄道関係者も大変だなあ、と思う次第です。