【ねこまたぎ通信】

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 米軍、沖縄で枯れ葉剤

北部で枯れ葉剤散布/米軍、60年代訓練場一帯

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200707091700_01.html


米軍がベトナム戦争で使用した、猛毒のダイオキシンを含む枯れ葉剤を一九六一―六二年、沖縄の米軍北部訓練場などで散布、作業に携わった元米兵が前立腺がんの後遺症を認定されていたことが八日までに米退役軍人省の公式文書で明らかになった。


【国頭・東】緑豊かな県民の水がめの周辺に、猛毒ダイオキシンを含む枯れ葉剤がまかれていた。「ショック」「住民の健康と環境の調査を」。地元の国頭、東両村の村長らは報道に衝撃を隠せない。米軍北部訓練場は一部返還が決まっており、跡利用への影響も懸念した。エコツーリズムの舞台として活用する住民は、不安の払拭を求めた。
国頭村の宮城久和副村長は「大変ショック。アメリカの公的な機関から発表されている事実。国はきちんと調査をし、住民に知らせてほしい」と話した。同村では訓練場の返還後、新たな土地活用について話し合いを進めており、「今後、計画に影響を及ぼすのでは」と懸念した。
東村の伊集盛久村長は「散布が事実なら由々しき問題。県民の水がめを抱える村として看過できない」と語気を強めた。「国に事実を明らかにしてもらい、その上で村民の健康調査を求めていきたい」と話した。
高江区の仲嶺武夫区長は「ヘリパッド着工も進む中、住民の不安がますます大きくなった。まず場所の特定が必要。ダムに流れた可能性も否定できない」と、不安を隠せない様子で語った。
国頭ツーリズム協会の山川安雄代表は「まったく初めて聞いた。北部訓練場には生物調査などで多くの人が入っているが、植物の生育が悪いなど、異常さを裏付ける情報は聞いたことがない」と語る。「報道が事実なら、完全に不安を払拭するためにも場所の特定やきちんとした環境調査をしてほしい」と求めた。

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ベトナム向け「実験」か

枯れ葉剤の影響について長年ベトナムで取材を続ける報道写真家の石川文洋さんの話 一九六一年当時はまだ枯れ葉剤の人体への影響については把握されてない時期だが、同時に米国はベトナム戦争への本格介入を前に、既に軍事顧問団を送っており当然、米軍は枯れ葉剤の戦略的な重要性に気が付いていたはずだ。
北部訓練場での散布は、ベトナム戦争へ向けた「実験」の位置付けと、訓練の障害を取り除くための雑草除去という二つの目的があったのではないか。
枯れ葉剤の影響は長期間続く。二〇〇五年にベトナム現地で取材した時も障害がある赤ちゃんが次々と生まれていた。今後十年で終わるのか百年続くのか、誰も断言できないところが一番恐ろしい。

基地返還にも影響/琉球政府 元担当者

米軍による枯れ葉剤の散布が判明した米軍北部訓練場(東村など)は、部分返還に向け政府が米軍ヘリパッドの移設工事に着手したばかり。枯れ葉剤による汚染の有無などその実態は不明のままで、周辺住民は「汚染の程度や健康被害が分からないことが不安」と話している。
「米軍の毒ガス移送が大きな問題になったことは知っているが、枯れ葉剤の使用が問題にされた記憶はない」。一九七二年の沖縄の本土復帰前から琉球政府(現沖縄県庁)に勤務、基地問題にかかわってきた元幹部は話した。
ヤンバルクイナに代表される貴重な動植物が残る沖縄本島北部。人口が多い島の中南部へ水を供給する複数のダムもある。元幹部は「枯れ葉剤は後遺症の問題もあり、事実なら基地返還にも影響するはずだ」と指摘する。同訓練場は一九九六年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で一部返還で合意。順調なら数年以内に返還されることになるが、米側には汚染除去などの義務はない。
隣接の同県名護市で環境保護に取り組む「ジュゴンの里」代表の東恩納琢磨さん(42)は「枯れ葉剤散布は聞いたことがないだけに被害が恐ろしい。これまでも別の基地で有害物質が発見された経緯がある。汚染をきれいに除去し、情報公開すべきだ」と話した。

水がめ地帯 散布は重大

沖縄県環境審議会会長の桜井国俊沖縄大学長(環境学)の話 北部訓練場は沖縄県民の水がめでダムがつくられ続けており、その地帯で枯れ葉剤がまかれたということは重要な問題でたいへん気になる。枯れ葉剤に含まれるダイオキシンは環境の中では消えないからだ。米軍基地内で行われることは分かりにくく、枯れ葉剤の散布は県も知らされていないだろうし、われわれも知らなかった。