【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

 みくしダクタリの日記から.

ナクル湖のフラミンゴ


ナクル湖のフラミンゴがいまだに大量に死んでいます。07年1月のナクル湖水鳥カウントに参加して来ました。このカウントはラムサール条約事務局と国立ナイロビ博物館鳥課の主催により年2回(一月と七月)に行われ十数年継続しています。ところで去年からフラミンゴの大量死が顕著でしたが、収まる兆しがありません。湖畔を歩くと粒粒と死体が転がって情けない有様です。水鳥カウントの結果は10万羽以下(同行邦人も推定同意)と少数のフラミンゴでした。
ナクル湖はレッサーフラミンゴ、大フラミンゴ、ペリカン、アボセット(背高そり嘴シギ)、ウ、襟巻きシギなど多数が観察される楽園です。あまり小さな千鳥・シギは今回どれほど影響を受けているものだかわかりません。
湖水を双眼鏡持って歩くと前後からクロサイバッファローが走ってきたり、カウントは命がけです。更に二箇所の下水処理場にもカウントに行きました。ナクル市から流れ込む下水のにおいをお伝えすることはできませんが、その水の色はドス黒く泡が立つのです(コンドームも浮いています)。ポンド方式の沈殿処理池が並んでいます。ところが処理場には近所の牛や羊の他、ハゲコウが歩くのですが、クロトキ、ハダダトキが処理池内でついばみ、なんとカバが沈んでいました。
ナクル湖は流失河川のない閉鎖系湖(日本の田沢湖の二倍)で蒸発水質は強度のアルカリ性をなし3種のアルゲイ(藻)スペルリナが一日200トン繁殖し、その藻を食べに100万羽のフラミンゴが生息し、湖面をピンク色に染めるほどの貴重な特異なエコシステムをなし、ナクル湖はケニア観光産業の看板になっています。
ところが日本のODA「大ナクル水道計画取水ダム」(50億円借款鴻池組受注建設)により88年に取水ダムがナクル集水域外で完成されました。工場腐液や家庭排水が流れ込み、排水処理場の不備で汚染が問題になりました。93年6月、ご記憶にある方もおられると思いますが釧路で開催された第五回ラムサール条約会議で環境汚染問題になった日本のODA案件です。その後もフラミンゴの大量死が問題(02年頃も30万羽に激減)にされ、未だに解決されていません。
1) 円借款で浄化ダムは創ったものの下水処理の設備の不備の為、環境影響が心配される。
2) 集水流域外からもって来る浄水などからでる排水を直接ナクル湖に流入させれば長期的に見て生物環境に悪影響がでる。
としてマスコミに騒がれました。
日本政府は近年も、湖沼の生態に詳しい琵琶湖研究所の専門家(00年には玉川大学博物館教授)を派遣し、調査報告を出しています。が様々な要因が挙げられるも不明なままです。
今回も水サンプルを湖水(二箇所)下水処理場(二箇所)で採集し、簡易パックテストで調べました。ここでの結果発表を控えますが、この湖水の汚染が大量死の原因と思われます。湖水汚染(重金属)により、体力の衰えた水鳥に常在では病原性のないソウドモナス(緑膿)菌などに感染し、肝臓腎臓が機能低下して死に至るのではないかと推測しています。このような特異な生態系を営む湖でのダム計画案件にはEIA(環境影響評価)を行ってから慎重に進めてもらいたいものです。

参照;「アフリカと神戸俊平友の会」のHP、
毎日新聞・2006年12月25日・東京朝刊
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環境と文化を破壊し続けるバカODAについては,書きたいことがいろいろあるが,今はその元気がない.
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