雨のセロニアス・モンク

今朝から雨．
駅まで奥さんに車で送ってもらい，約一時間の仮眠後，東淀川駅に立つといつも鞄の中に入っている折りたたみ傘が無かった．仕方なしに近くのコンビニに立ち寄って折りたたみ傘を買った．
寄り道したので，遅刻回避のためショートカットしようと普段通ることのない路地裏を歩いていくと，どこからともなくジャズピアノの旋律が流れてきた．お．洒落た喫茶店でも近くにあるかと思いきや，そこは定食屋だった．開け放った引き戸の向こうで，下拵え中のおっちゃんの姿がカウンター越しに見え隠れしていた．
いや，ただそれだけの話で落ちも何も無いんだけど，妙に「朝から得した気分」になったのであった．定食屋のおっちゃんが，ジャズ愛好家だったとしても，別におかしくはない．むしろ，定食屋の親父はジャズなど聴かない，という先入観を持っていたために，とても当たり前な事実が新鮮だったんだな．
元プータローの長期旅行者が，ローンを抱える子持ちサラリーマンとして企業に潜伏し，夜な夜な怪しいハンドルネームで電網世界を徘徊したりしていても，まったくおかしくないのと同じだよな．（笑）
だから，その後会社に向かう道を足早に歩きながら，いろいろ空想していたのだが，定食屋のおっちゃんがセロニアス・モンク似の無愛想な顔をしていて，「糞マイルスの糞野郎」なんて呟きながら，今日の定食の下拵えをしていて，近所のおばちゃんが店の前を通りかかると，たちまち相好を崩して，「おはようさんです〜＾＾」なんてシーンもありだよなー．