イスラエル：バス２台に自爆テロ １５人死亡、８０人負傷−−ハマスが声明

　【エルサレム樋口直樹】イスラエル南部・ベルシェバの中心街で３１日、走行中の２台のバスがほぼ同時に爆発した。地元テレビ局によると、少なくとも１５人が死亡、８０人以上が負傷した。イスラム原理主義組織「ハマス」の軍事部門が声明を出し、いずれも自爆テロだったと認めた。イスラエルでの大規模な自爆テロは、３月に中部アシュドッドで１０人の犠牲者を出して以来。

　２台のバスは仕事帰りの乗客でほぼ満員だった。ハマスは精神的指導者ヤシン師とその後継者ランティシ氏がイスラエル軍の空爆で殺害されたことに対する復しゅうだと表明。イスラエルのシャロン首相は「全力でテロとの戦いを続ける」と語り、報復を示唆した。

　ベルシェバは南部最大の都市。世界各地からのユダヤ人移民の受け入れ地として知られており、ハマスは移民を狙ったテロだったことを認めた。

　イスラエルが計画するガザ地区からの撤退を前に、パレスチナ武装勢力の間には同地での主導権を確立するため、イスラエルへの攻撃を強める動きがみられていた。一方、パレスチナ自治政府のエラカト交渉相は「民間人を標的としたいかなる攻撃も非難する」との声明を出した。

毎日新聞　2004年9月1日　東京朝刊

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20040901ddm007030086000c.html