【ねこまたぎ通信】

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アフリカ北西部でバッタの大群が猛威 農業への被害拡大


 アフリカ北西部で砂漠バッタの大群が猛威を振るっている。国連食糧農業機関(FAO)は、事態を食い止めなければバッタが農作物を食い荒らし、十数カ国の農業生産に80年代後半を上回る過去最大規模の被害が出ると警告している。深刻な飢餓につながる恐れがあり、緊急支援も呼びかけている。

 FAOや西アフリカ諸国からの報道によると、バッタの大群の移動はアルジェリアやモロッコなどで6月以降に本格化。1平方キロあたり推定8千万匹にのぼる大群が、北アフリカ諸国で雨期が終わるのに合わせて、1日に数十〜百数十キロの距離を飛んで西アフリカ諸国へ移動し始めた。

 今月にはモーリタニアセネガルなどを襲い、地上のあらゆる植物を食い尽くし、農作物は壊滅的な被害を受けた。モーリタニア政府は深刻な穀物不足で100万人に飢餓の恐れがあると予測している。

 大群は最近、アフリカ最大の人口を抱えるナイジェリアの北西部にも到達。収穫前の穀物やトウモロコシなどを食い荒らしている。AFP通信によると北西部の行政責任者は30日、「バッタの襲来はとても防ぐことはできない。すでに10万人が収穫を失った」と述べた。

 9月中には、アラブ系民兵による虐殺などで3万〜5万人の死者と100万人以上の国内避難民が発生し、深刻な飢餓が起きているスーダン西部のダルフール地方に到達するという予測がある。

 春に大量のバッタが繁殖したのは、昨年、サハラ砂漠周辺で異例に雨が多く、今年に入ってもアフリカ北西部で同じ傾向が続いたためといわれる。

 南アフリカの週刊紙ビジネスデー・アフリカによると、大群は1日でゾウ10頭、ラクダ25頭、人間2500人がそれぞれ食べるとされる約5トンの食物に匹敵する量の植物を食い尽くしていると、専門家は推定している。

 アフリカでは87年に始まったバッタの異常発生で農作物に3億ドル以上の被害が出て、農業生産が回復するまで5年かかった。

 FAOは今回、数百万ヘクタールの農地が被害を受け、80年代当時を上回る恐れがあると指摘。殺虫剤や散布用小型航空機の購入など保護策のために総額1億ドルの支援を呼びかけている。

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 〈砂漠バッタ〉 サバクワタリバッタ、エジプトツチイナゴとも呼ばれるバッタの仲間。アフリカ北部やアジア南西部の乾燥地帯に生息、群れで移動する習性がある。平均寿命は3〜5カ月。成虫の体長は6〜7センチ、重さは2グラム。時速16〜19キロの風に乗って1日に5〜130キロ移動する習性もある。300キロある紅海を飛び越えたり、西アフリカからカリブ海へ約5千キロも移動したりした記録もあるという。 (08/31 19:12)

asahi.com

●参考
サバクワタリバッタ
http://www.yamanouchi.com/jp/shinyaku/pdf/417_0002.pdf