【ねこまたぎ通信】

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イラク報道:NYタイムズに猛省迫る オンブズマンが記事

 【ニューヨーク高橋弘司】30日付米有力紙ニューヨーク・タイムズは、イラク大量破壊兵器開発疑惑をめぐる同紙の一連の報道に猛省を迫る専属オンブズマン、ダニエル・オクレント氏の記事を掲載した。同氏は現イラク統治評議会メンバーで、旧反体制派組織「イラク国民会議」議長のチャラビ氏はじめ多数のイラク人亡命者らから米当局にもたらされた大量破壊兵器関連情報の多くがねつ造か不確かなものだったことを踏まえ、「うその犠牲者は新聞の読者だ」と指摘、十分な裏付け取材を経ないまま報道した同紙の姿勢を厳しく批判した。

 また、同紙の報道によって、フセイン元大統領が大量破壊兵器を保持していると事実上、全世界が信じる結果となってしまったと指摘、そうさせたかった人々による「巧妙なキャンペーン」に利用されたとして自己批判を促した。今回の記事掲載に象徴される最近の同紙の“変身”ぶりは今後、イラクをめぐる国際世論の行方にも影響を与えそうだ。

 オクレント氏は「大量破壊兵器か、大衆錯乱か」と題した記事で、同紙が26日、イラク大量破壊兵器開発疑惑を中心とする過去の報道について「厳密さに欠けた事例」があったと異例の検証記事を掲載したことに関連し、「イラク開戦前の一連の報道は、ばか正直だった」と指摘、同疑惑をたびたび1面の派手な扱いで報じたことに反省を迫った。

 また、開戦後も数週間、同紙の「欠陥報道」は続いたと指摘。十分な裏付けのないまま、旧フセイン政権と国際テロ組織アルカイダとのつながりを強調した記事などを具体例に挙げた。さらに、国防総省が重用してきたチャラビ氏が最近になって「追放」状態に置かれたことに関連し、「タイムズはあたかもスイッチをひねるように、ひいきだった彼への評価を変えた」と皮肉を込めて批判した。

 さらに「失敗は個人的なものではなく制度的なものだ」と指摘、同紙の「機能不全」が原因でワシントンやバグダッドからの原稿が通例のチェック体制を経ないまま、掲載されたとし、一連の大量破壊兵器開発疑惑をめぐる報道について、積極的な検証報道の必要性を強調している。

 同紙では昨年、スター記者が多数の記事をねつ造していたスキャンダルが発覚、当時の編集局長が辞任に追い込まれるなど世界有数の一流紙の名声が急落、同12月、専属オンブズマンを置いて再生を目指している。

毎日新聞 2004年5月31日 11時11分

大本営垂れ流しどころか,事実の捏造までする日本のメディアは?