【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

ナブルス通信 2004.5.22号 ラファ、5月の虐殺──嘘と犯罪

こんにちわ。かなり長大な通信を送ります。連日送ることを迷ったりもしましたが、これは送りたくて作りました。

読むのがつらい、時間がないというのもあると思います。気にしないでとりあえず受け取っておいてください。

この号は送りたいことを全部、欲張って詰め込みました。雑な面もあると思いますが、今のところ、明らかにしておきたいことを渾身の力で(と言っても非力)集めました。深い怒りからそれは来ています。

1つずつの文章ごとにばらして転送してもらってもかまいません。
出典「ナブルス通信2004.5.22号」(URLも)と、明記をお願いします。

      ***以下、転送を歓迎します***

      ○○○ナブルス通信 2004.5.22号○○○
       *ラファ、5月の虐殺──嘘と犯罪*
        http://www.onweb.to/palestine/
        Information on Palestine


◇contents◇

◇20日、ラファで起きたこと 編集部

◇◇嘘と犯罪◇◇
 
 ◇「家屋破壊はしていない」とイスラエル軍
  「ブルドーザーが希望をうち砕く」 クリス・マクグリール
 
 ◇屋上で殺されたアスマとアハマド姉弟のこと
  「証拠は遺体安置所にある──子どもたちの死」 マクグリール
 
 ◇19日のデモの列へのミサイル攻撃を巡って
  イスラエル軍いわく、「そんなつもりはなかった」 マーク

◇ラファについて 編集部

◇ラファ、5月の虐殺──嘘と犯罪

イスラエル軍がラファから撤退を開始したと21日の午後、報道が入りました。もっとも、軍は「配置換え」と言っているだけです。大部隊はいなくるようですが、少なからぬ数の部隊は残ります。

水も食料も底をついていた制圧下の地区は、これで最悪の危機的状況から脱することができました。

ラファで行われていたことは、ほとんどすべてが戦争犯罪です。この3日間に41人が殺されました。そのうち、14人が子どもです。負傷者の数は200人くらい。壊された家屋の数はまだわかっていません。

しかし、イスラエル軍の報道官は、数々の違った情報を流しています。中にはすぐに虚偽だとわかる稚拙なものも含まれています。

嘘を言わなければならないというのは、行ったことの犯罪性を認識しているということです。少なくとも米国政権やイスラエルの国民には隠しておきたいことなのだとも言えるでしょう。──その米国政権もイラクでの結婚式爆撃で、ごまかしや嘘をつきまくっているようですが。

20日に起きたことのまとめと、いくつかの「嘘」を検証したレポートを送ります。[ナブルス通信]


◇20日、ラファで起きたこと

・ミサイル攻撃が続く

国連安保理イスラエル非難決議が採択される。
米国が態度を変えて棄権したことで、拒否権が発動されないという異例な事態になり、イスラエルに家屋破壊と現在の攻撃をやめ、国際人道法を遵守することを求める決議が反対0で可決された。ラファでイスラエル軍がしていることに対し、国際的な非難は高まる一方となった。

・しかし、攻撃は続けるとイスラエル
非難決議が採択されても、モファズ国防相らは軍事作戦を取りやめる気はないと発言。ずっと包囲下に置かれていた地域以外にも、新たに侵攻が始まる。ブラジル、サラーム地区に加えて、さらにギニア地区へ。

国連の物資配給が止められる
UNRWAの学校に避難していた人たちに配給する必要最低の食料などを保管していた倉庫へ、イスラエル軍がアクセスを許さず。包囲下にある地域でも水、食料、赤ちゃんのミルクなどの欠乏が進行。危機的な状況が深まる。UNRWA、国際赤十字などが交渉を始める。

・制圧下の地域から「人が家の中にいるまま、家屋破壊がなされている」との情報がいくつも届く。UNRWAが緊急にプレスリリースを発行。

PCHR(パレスチナ人権センター)発表レポートより抜粋(概略)
5月20日
「ラファ、4日間で39人が殺される。攻撃が拡大」

・19日夜、イスラエル軍はサラーム、ブラジル両地区へも侵攻。戦車からの無差別な砲撃に加え、アパッチヘリからも射撃をしているとの情報。2軒の家が破壊された。

・20日午前1時、サラーム地区にアパッチヘリがミサイルを落とし、民間人2人が殺され、最低2人が負傷。飛び散った遺体は付近の住民たちが朝に集めた。

・20日午前1時半、アパッチヘリはブラジル地区にいたレジスタンスメンバーにミサイルを発射。3人が殺された。救急車にも銃撃が行われ、負傷者を救助できたのは、1時間後だった。

・ブラジル、サラーム両地区から逃れてきた人々によると、イスラエル軍は警告なしに家屋破壊を開始し、家から逃げた人たちは戦車からの砲撃、銃撃をかいくぐって避難をしなければならなかったという。3歳のタメール・ユーニスは避難中に心臓発作を起こして死亡した。銃撃と砲撃が激しく、この両地区に近づくことができないため、家屋破壊の詳細を知ることができない。

・午前10時半、ジアード・ハッサンの家が破壊される。白旗を掲げて避難をさせてくれと頼んだハッサンの家族にイスラエル軍は戦車から発砲し、妻と3人の子どもたちを負傷させた。この家族を救出に向かった救急車は、戦車とブルドーザーに囲まれた。イスラエル軍のショベルカーは、運転手が中にいるまま、砂と瓦礫を救急車に盛り、救急車を身動きできなくさせた。4時間後に土砂は取り除かれたが、車は大きく損傷を受け、ハッサン一家を救出することもできなかった。

・午前11時、タルエッスルターン地区に住むジャマール・アワド(39)はバルコニーで隣家から飲み水をもらおうとしているときに狙撃手に頭部を撃たれ、即死した。

。他にムハンマド・ジャベール(27)が銃撃されて死亡。ラファのいろいろな地区で数人の負傷者が出ている。

20日の出来事、証言の数々

【ミサイル攻撃を目撃した人】
「ヘリコプターが2発のミサイルを撃ったのを見たんだ。そのすぐ後に2人の男性が『助けてくれ』と叫び声をあげているのを聞いた。彼らは焼けただれていた。けれど、誰も何することもできなかった。戦車があたりに銃撃をしていたからだ」(マフムード・ジャルワン 20日のAFPによる)

【水もミルクもない】 
「赤ちゃんのミルクはほとんど尽きてました。紙おむつもなくなった。私たちは古い服を裂いて、おむつにしました。その上、水も朝にはなくなったんです。」(通りの向かいにあるモスクで赤十字が緊急物資の配給を始めていたが、激しい発砲によって行くことができなかったハリール・シャグファ。9人の子どものいる父親 21日のAPによる)

「ハリール・アッサル(37)は家の屋上にある給水タンクに銃弾で開けられた穴を修復していました。そのとき、撃たれて死んだのです。彼の親戚2人も負傷しました」(21日のAPによる)

【外へ出たがる子どもたち】
「子どもたちは叫び声をあげて、『お父さん、お父さん、どこかに隠れたいよー』と泣きました。みんな、怖くてしょうがなかったのです。そんな状態が3日間続きました。また、外へでたがる子どもたちを毎日、なだめるのが一苦労でした。みんな、新鮮な空気が吸いたかっただけなんです」(ハリール・シャグファ 21日のAP)

「子どもたちはたくさんの質問を浴びせてきました。兵士たちに(攻撃を)止めてと言ってくれというのです。『おじいちゃん、戦車のところに行って、止めてと言ってきて』私は子どもらに私が撃たれるんだよと言いましたが、『おじいちゃんはすごい人だよ。撃てっこないよ』と子どもたち。私は説明をしようとしましたが、子どもたちは小さすぎてわかることができないのです」(ハリール・シャグファの父 21日のAP)


◇◇嘘と犯罪◇◇

◇「家屋破壊はしていない」とイスラエル軍

20日の夕方には、人が中にいるまま、家屋破壊が行われているという情報が次々届き、UNRWAからのプレスリリースもそのことを警告した。しかし、家屋破壊が次々となされていたにもかかわらず、イスラエル軍は「有名なテロリストの家しか壊していない。または、過激派の拠点とされていた建物だけだ。ブラジル地区では家屋破壊はしていない」と言い張っている。

この嘘に対する反証をガーディアン紙のマクグリール記者が集めて書いている。抜粋で紹介。

***
「ブルドーザーが希望をうち砕く」
2004.5.21
クリス・マクグリール (ガーディアン)
Chris McGreal in Rafah
http://www.guardian.co.uk/israel/Story/0,2763,1221394,00.html

 ファティマ・シャリフ・ハッサンはブロックOの自宅をイスラエルの巨大な機械にずたずたに壊されて、1週間前にブラジル地区にある娘の家に避難をした。75歳になるひいおばあさんのファティマには、ここはブルドーザーの暴力から安全な場所だと思えた。
 
 しかし、昨日、糖尿病で手足の自由が利かないハッサン夫人は、家が倒壊する直前に壁に開けた穴を這って抜け出ないとならなくなった。
 
 「イスラエルのブルドーザーが私たちの家を襲い始めた音が突然したんだよ。壁に開けてくれた穴から逃げ出すしかなかった。私をみんなが建物から建物へ運んでくれたのさ。何もかもなくしてしまった。入れ歯も、お金も。髪を覆うために隣の人がこのスカーフをくれたんだ」
 
 家の持ち主だったナビル・ハッサンは語る。
 「私たちはまったく寝ていませんでした。ずっと銃声がしていたからです」
 午前10時すぎ、一家は巨大な軍用ブルドーザーのうなり声に気づいた。
 「家を兵士たちが壊し始めたとき、私たちが『ここにいる』ってブルドーザーの運転手に知らせるすべがなかったんです。隣の家には両親がいました。壁に穴を開けて、逃げようと声をかけました。ハンマーを持ってきて、それで穴をあけたんです」
 
 「最初に子どもたちを出し、年老いた母親を出しました。そのとき、両親の家の破壊が始まったので、近くの大きな家まで走って逃げなくてはなりませんでした」
 
 しかし、ここも破壊のターゲットにされたので、一家は他の60人とともに、残っていた建物へ逃げた。そこにもブルドーザーは不気味に迫ってきた。
 
 「建物の基礎と柱が揺れて、女性たちは叫びをあげました。『殺されてしまう、ここから逃げよう』とみんな叫びました。即席で白旗を作り、ブラジル地区を抜けるまで子どもたちと一緒に歩きました。私たちは家から何も持たずに出てきたのです」
 
 イスラエル軍は家屋破壊を否定している。テロリストの家か拠点だけが攻撃対象だと言って。また、ブラジル地区で家屋破壊はなされなかったとも言っている。
 
 しかし、逃げてきた住民たちはブルドーザーが一列ごと家を潰していると語った。
 
 ハッサン家の人々は、ブラジル地区の自分の家の通りだけで、最低8軒の家が破壊されたと言った。他の住民の話も同じようなものだ。
 
 パレスチナ人の救急車ドライバー、ムハンマド・ネラーブも、自分の目の前で3軒の家が壊されたのを目撃したと言った。「ブルドーザーと戦車がどこにでもいた。動くものは何でも撃っていたんだ」
 
 昨日の破壊の後、国連に難民として登録している150人以上の人が家を失った。


***
抄訳:ビー・カミムーラ

(参考)「動物園は壊していないという嘘」BY イスラエル軍
証拠写真が出ています。クジャクを運ぶ少年。
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/040521/ids_photos_wl/r2348131559.jpg


◇屋上で殺されたアスマとアハマド姉弟のこと

鳩に餌をやり、洗濯物を取りこもうとしていたアスマとアハマドのムガイヤル姉弟が家の屋上で撃ち殺されたのは、18日。この二人の死についてイスラエル軍当局は、殺害を否定し、「二人はパレスチナ人が用意していた爆弾の暴発か、パレスチナ人が通りに仕掛けた地雷によって、事故で殺されたのだ」と発表した。

この件を追及した英国ガーディアン紙のクリス・マクグリール記者によるレポートを抜粋して紹介。

***

「証拠は遺体安置所にある──子どもたちの死」
2004.5.20
クリス・マクグリール (ガーディアン)
http://www.guardian.co.uk/israel/Story/0,2763,1220635,00.html

 殺されたアスマの右耳のちょうど上、濃い黒髪を掻き分けた下に穿たれた小さな穴はイスラエル軍によると「まぼろし」ということになる。
 
 パレスチナ人は撃たれて殺された子どもたちと主張しているが、イスラエル軍は子どもたちがパレスチナ側の爆発物によって殺されたと発表しているからだ。
 
 **
 ラファの病院の責任者、アリ・ムーサ医師は激怒して言った。
 「彼らは嘘つきだ。本当に大嘘つきだ。子どもたちは頭を負傷しているんだ。間違いない」
 
 二人の死を宣告したアハマド・アブ・カリア医師は殺害の方法を証明すると言い張った。カリア医師はアスマの遺体を保管庫から取り出してきて、少女の髪を掻き分け、銃弾が入った耳の上の穴を見せた。耳の上から入り、反対側にさらに大きな穴を開けて銃弾が貫通していったことがわかる。
 
 「いつも彼らは言うんです。──殺されたのはみんな武装闘士だった。無差別に子どもを殺していない、と。でも、最初の日に殺された4分の1は子どもたちでした。その証拠は、この病院の遺体です。」とカリア医師。
 
 アスマの遺体は他のテルエッスルターン地区の犠牲者と同じように、家族が家から外へ出られないため、病院の遺体保存庫に横たえられている。13歳の弟は遺体保存庫に入りきらず、少し離れた冷えた部屋に置かれていた。
 
 「小さな少年」
 
 アハマドの遺体は他の14人の遺体とともに横たえられていた。他の大人の遺体がそれぞれの所属党派の旗にくるまれているのに対し、アハマドは白い布にくるまれていた。彼はとても小さい。誰もこの小さな少年を大人だと間違えることはできないだろう。
 
 カリア医師はアハマドの遺体の向きを変えて、額の前髪の際にある小さな丸い穴を指し示した。銃弾が抜けていった後頭部にはもっと大きな穴が開いている。アスマにもアハマドにも他の傷跡はどこにもなかった。特に爆発によるような火傷や、破片による傷なんてものは。
 
 医師は他の若者の遺体も指さした。
「これはイブラヒム・アルクン。14歳。後頭部を撃たれました。銃弾は右目から出ていっています」
 この少年の顔は傷でむちゃむちゃになっていた。
 
 子どもたちの遺体は昨日、次々と遺体置き場に運び込まれていた。
 
 サベール・アル・リッダ(13)は、朝、家族のために水を探しにテルエッスルターン地区の家から外に出て、撃たれて死んだ。銃弾は背中から入り、心臓を貫いた。サベールの兄も撃たれて重体になっている。
 
 「誰がこの少年を『闘士』だと言えるんでしょう?この体の大きさを見て下さい。傷の場所を見て下さい。背中です。誰かを攻撃などしていないのです」とカリア医師は語った。


***
抄訳:ビー・カミムーラ

◇19日のデモの列へのミサイル攻撃を巡って

国際社会から大きな避難を浴びることになった19日の平和なデモへのミサイルと戦車砲での攻撃について、イスラエルは「武装勢力がいた」とか「狙ったわけではない」とか「戦車砲だけだ」と言い張っています。実際に日本のメディアでも「ミサイルからの攻撃」ということに一切触れなかった報道をNHKなどはしています。
 
しかし、映像も残っています。目撃者もたくさんいます。ロンドンのマークより、このことについて。
 
***

イスラエル軍いわく、「そんなつもりはなかった」
IDF:"We Didn't Mean To”

マーク Mark
2004年5月19日午後8時7分(イギリス時間)
Rafah Kid Ramblesより

 ケッタクソワルイ。イスラエル軍は、ちょっとだけ時間をかけて、ラファでの一般市民の殺戮を説明するストーリーを作り上げた。
 
 そのストーリーとは──(ハアレツより引用)
 
 「軍の情報筋が語ったところでは、部隊は、近づいてくるデモ行進の列に武装した者がいるのを発見、ヘリコプターに、何もない場所に警告のミサイルを発射するよう要請した。だが、デモ隊は行進をやめようとせず、そこで、戦車が抗議者たちを撃退しようと、近くの無人の遺棄された建物に向けて戦車砲を3発発射した」
 
 何もない場所だって? 海岸通り(Sea Street)のそばに? 君たち、アホとちゃうの? 海岸通りの一番近くにある何もない場所と言ったら、国境近くの荒野だし、それも道路を何本も越えたずっとずっと離れたところなんだよ。この説明は「見え透いた」なんてものじゃない。図々しいにもほどがある真っ赤な嘘だ。それに、「武装した者」なんて言っているけれど、証拠になるビデオでも持っているんだろうか? いいや、絶対にそんなものもあるはずがない。
 
 「軍は声明で、これは群集を狙ったものではないと述べている。軍の情報筋によると、戦車からの砲弾の1発は無人の遺棄された建物に当たらずに横を通り過ぎるか、あるいはコースをはずれて、デモ隊の列のほうに行ってしまったものであって、部隊が意図的に抗議者たちに向けて発砲したわけではない」
 
 無人の遺棄された建物だって? 海岸通りに? 戦車砲がコースをはずれた? よくもまあ、こんな嘘を並べ立てられるもんだ。ノウナシノオオバカウソツキヤロウ。
 
 「『これが[群集に向けられた]意図的な砲撃だというのは誤りであり、100パーセント否定する』と、軍の主席広報官、ルース・ヤアロン准将は、水曜(19日)の軍のラジオ放送で述べた」
 
 開いた口がふさがらない。いったい誰がこんなたわ言を真に受けるっていうんだ? 100人が100人、絶対に、その時、デモ行進をしていた1000人を超える人の言葉のほうを信じるだろう。アネスもデモの列にいたひとりだ。アネスが電話をしてきて、何が起こったのかを正確に話して聞かせてくれた。僕たちのように、ラファに──ラファ以外のどこでも、占領地に──行ったことがある者にとって、イスラエル軍の口から流れ出す嘘の洪水が日常茶飯だってことは、いやと言うほどわかっている。でも、どうだろう、一般の人たちは、これを信じるんだろうか? 「そんなつもりはなかった」なんて言葉を? クネセット(イスラエルの国会)議員のひとり、ムハンマド・バラケフ(ハダシュ党)は、ラファでのこのミサイル攻撃を「無差別殺戮(massacre)」と呼び、国際社会の介入を求めた。
 
 同じく議員のアハメド・ティビ(ハダシュ党)は、防衛大臣、軍参謀長、ミサイルを発射したパイロットは裁判にかけられるべきだと言っている。ティビは、ラファでの出来事を聞いて、激昂のあまり、国会の常駐医師に診てもらわなければならないほどだったそうだ。
 
 
 『ラファ・トゥディ』のムハンマドのページを急いでチェックしてみた。最新のレポートは、こうだった。
 
 「たった今!!! 数千人が自発的に集まって、世界の人たちに向けて、この攻撃をやめさせてくれるよう、住人に飲み水と食べ物を届けてくれるよう訴えるデモ行進を始めたところだった。アパッチ戦闘ヘリから2発のミサイルが、病院から20メートルのところに落ちてきた。まだ何も……」
ムハンマドのメッセージはここで中断。受け取ったのはこれだけで、以後は届いていない。みんな、ムハンマドの無事を祈ってほしい──ウェブマスター
 
 エレクトロニック・インティファーダでは、アクティヴィストと抗議をしたいと思っている人たちのために、コンタクト情報のページを掲載している。合衆国では「憂慮のレベル」を今や「たいへん憂慮される」に上げた(わあお、「たいへん憂慮される」だってさ)。ともかく、イスラエル軍にショックを与えて撤退に追い込むだけの反応は、確実に出てきている。


**

翻訳:山田和子

※Rafah Kid Rambles
http://www.rafahkid.net/


***
(参考)アムネスティ発表国際ニュース(2004年5月21日)より抜粋

アムネスティ・インターナショナルの派遣団は事件が起きた時、デモの付近にいた。彼らはデモが起きている場所の上を舞っているイスラエル軍のヘリコプターが、ゆらめく炎のようなものを落とすのを見た。それは彼らが数回に渡る重砲の一斉射撃を聴いた直後だった。

イスラエル軍のヘリコプターと近くにいた戦車からの砲撃によって死傷者が生じたと、デモ参加者と目撃者は主張している。

(中略)

イスラエル高官はデモ参加者が銃砲携帯者によって導かれていたと申し立てている。アムネスティ・インターナショナルはデモ参加者の中に武装したパレスチナ人がいたかどうかについて確認もしくは否定もできないが、アムネスティの派遣団は攻撃の前にデモの横を通り抜けた時には武装した人を誰も見なかった。更にはイスラエル軍の砲撃に前後に、彼らはパレスチナ人からの銃撃音は何も聴かなかった。その上、砲撃の前後と最中にデモを撮影したテレビ・クルーのフィルムはアムネスティ・インターナショナルの派遣団もよく調べてみたのであるが、デモの中に武装した人物は出てこなかった。

原文: http://web.amnesty.org/library/index/engmde150542004


参考◇ラファについて

日本だけに限らず、ほとんどの報道が「ラファ難民キャンプへの攻撃」という表現を多用していますが、誤解を招く表現でもあるので、ラファについて少し説明をします。(多くはよくわかっていないという可能性が高い)

ラファは人口15万人(一説では14万)の街です。

日本でこの人口規模の市というと、
小樽、ひたちなか、小山、太田、熊谷、新座、入間、習志野、流山、東村山、多摩、大垣、小牧、津、守口、川西、鳥取、松江(2002年住民基本台帳人口要覧による)など。

この町の3分の2以上が難民です。街には難民キャンプもあります(それをラファ難民キャンプと総称して言う)が、難民キャンプ以外にも難民は多く住んでいます。

この街全体が、ガザの他の場所とは完全に切り離され、封鎖されていました。そして、2万5000人が住むというタルエッスルターン地区が完全制圧されていました(街の人口の6分の1)。ここには難民ではない人も住んでいます。さらに別の地区も後から完全制圧されました。

人口の8.4%がこの攻撃の前にすでに家を破壊されています。今、この割合は人口の1割にどんどん近づいてきています。

「難民キャンプ」への攻撃というよりは、町そのものの破壊というほうが正確です。


※ラファについての総合情報:
「特集:絶え間ない攻撃にさらされる街、ラファ」 
http://palestine-heiwa.org/rafah/index.html

ガザ地区の地図
http://www.palestinercs.org/images/Maps/gazamaplg.jpg

◇どうか、イスラエルに声を届けてください

参考になる文例と送り先は
http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/palestina0405.html


◇以上の文章は分割して、以下に掲載予定
http://www.onweb.to/palestine/
(トップから探してください)

※これまでの状況も上記より5月14日以降の記事をご参考に。

◇P-navi info  http://nekokabu.blogtribe.org/
[ほぼ毎日更新中。編集者ビーの速報、ミニ・インフォ、コラムなど]

◇ナブルス通信の配信お申し込み、バックナンバーは以下に。
http://www.melma.com/mag/84/m00109484/

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パレスチナ・ナビ』 http://www.onweb.to/palestine/

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