バシル容疑者を国家反逆罪で正式起訴−インドネシア検察

広域テロ組織の爆弾テロに関与

　【バンコク14日内藤毅】インドネシアからの報道によると、同国の検察当局は十四日、ジャカルタ中央地区裁判所に、テロ組織ジェマ・イスラミア（ＪＩ）の創設者とされるイスラム法学者アブ・バカル・バシル容疑者（65）をキリスト教会爆破などのテロ行為に関与したとして、国家反逆罪の容疑で正式な起訴状を提出した。同容疑者の有罪が認められると、終身刑が適用される。

　この起訴状によると、バシル容疑者は二〇〇〇年十一月、ジャワ東部の都市ソロで行われたＪＩの会合で、インドネシア各地でキリスト教会を狙った爆弾テロ計画の立案に深く関わり、同組織のハンバリ司令官に最終的な実行指示を与えたという。また、起訴状は、バシル容疑者が未遂に終わったシンガポールの米国施設を対象とした爆弾テロに対して指導的な役割を果たしていたことも追及している。

　一方、今回の起訴では、ジェマ・イスラミアが引き起こした昨年十月十二日のバリ島爆弾テロ事件で、バシル容疑者が事件に関与したかどうかは触れていない。また逮捕当時、容疑の一つに上がっていたメガワティ大統領暗殺計画立案疑惑は、後の捜査で取り下げられた。