【ねこまたぎ通信】

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イラク・バグダッド自爆攻撃 治安回復になお時間、国際支援団体から非難も

 【アッサイリヤ基地(カタール)田中洋之】イラクの首都バグダッド中心部で10日起きた自爆攻撃で米兵が死傷した事件は、バグダッド陥落後もフセイン政権の残党勢力が依然として抵抗を続けていることを裏付けた。米軍の完全な首都制圧と治安回復にはなお時間がかかりそうだ。

 米軍を狙った自爆攻撃はイラク開戦後、中部のナジャフなどで2回発生し、米兵計7人が死亡しているが、バグダッド市内で起きたのは初めて。詳しい背後関係は不明だが、首都陥落とフセイン体制崩壊を実現させ、「戦勝ムード」が広がっていた米軍に冷水を浴びせる形となった。米軍は自爆攻撃が今後も起こる可能性があるとして改めて警戒を強めている。

 バグダッドを支配下に置いた米軍は残党勢力の掃討作戦を展開しているが、500万人近い人口を抱える首都全域をくまなく捜索するのは至難の業だ。主力の共和国防衛隊はほぼ壊滅状態にあるものの、フセイン政権に忠誠を誓うイラク民兵組織などが今も住宅密集地やモスク(イスラム寺院)などに潜んでいるとみられる。

 米英軍と戦うためアラブ諸国からイラクに集まった多数の義勇兵も、米軍にとって不気味な存在だ。バグダッド西部マンスール地区の一部はアラブ系武装勢力が独自の検問所を置いて支配しているといわれる。首都陥落で勢いづく米軍に対し、外国人義勇兵がテロやゲリラ活動など、より過激な行動に出ることも予想される。米中東軍のレニュアート作戦部長は10日、「バグダッドはまだ安全ではない」と警戒を呼びかけた。国際支援団体からは治安対策に有効な対策を打ち出せない米軍当局に非難の声も上がっている。

 (2003年4月11日毎日新聞夕刊から)