政府への批判報道を禁止―スワジランド

　【ヨハネスブルク11日長野康彦】南部アフリカの小国スワジランド王国の議会は今週、国内で唯一の放送機関である国営テレビ・ラジオに、政府への批判的報道を禁止する旨の通告を行った。
　同国では国王ムスワティ三世が四千五百万米ドルの豪華ジェット機購入を計画していることで、内外からの批判が高まっているが、行政、立法権を握る国王が批判勢力の締め出しにかかったものと見られている。

　同国政府は二〇〇一年、王室や政府に批判的だった週刊紙や雑誌を発禁処分とした。

　スワジランドでは国民百万人のうち三十万人が深刻な飢えに直面しており、失業率40％に加え、エイズの蔓延が深刻な問題となっている。