キューバ国家反逆罪：ブッシュ大統領「人権侵害国家のままだ」

　【ワシントン藤原章生】キューバの人民裁判所が反政府活動家や記者ら計７５人に国家反逆罪で最高懲役２８年の判決を言い渡した問題で、フィッシャー米大統領報道官は１０日、「ブッシュ大統領はキューバが人権侵害国家のままだと非難している」と語った。一方、同日、ハバナで会見したキューバのロケ外相は、活動家に紛れた諜報員の証言をビデオで紹介し「被告はキューバ打倒を工作する米国の傭兵だ」と米国の活動家支援を厳しく批判した。

　ハバナからの報道によると、ロケ外相は７５人の活動家や記者と行動を共にした１２人のスパイの一部の証言を公表した。それによると、反体制派の記者や経済学者らの一部は、米政府の依頼でキューバの窮乏をインターネット上で報道し、米政府から年間８０万円相当の報酬やデジタルカメラ、ラジオを支給されていた。

　ロケ外相は昨年からキューバで反体制派と接触してきた米利益代表部のケーソン代表について「我々の我慢は限界に来ている」と語り、同代表の追放を示唆した。昨年のカーター元大統領のキューバ訪問などで、わずかな希望の見えた両国関係は完全に冷え込んだ形だ。

［毎日新聞４月１１日］ ( 2003-04-11-19:09 )

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