【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

 送り火

 昨日の午後,大阪に住む友人のお父さんが亡くなったという連絡が入り,お通夜に駆けつけた.亡くなった友人のお父さんというのは真宗のお寺のご住職で,私が大阪に住んでいた学生時代に随分お世話になった.何分貧乏学生だったので,日曜祝日になるとお寺にお邪魔しては夕食をご馳走になったりしていた.このお寺は,学生時代の仲間の溜まり場であり,当時私たちが発行していた同人誌「ねこまたぎ」の拠点でもあった.編集や印刷作業,青臭いながらも様々な議論をここでしたのを懐かしく思い出した.

 お通夜が一段落した頃,駆けつけた友人たちとしばらく懐かしのお寺の本堂で呑みながら話し,相変わらずの馬鹿話に花を咲かせ,楽しい一時を過ごすことが出来た.丹波篠山の山奥に引っ越し,仕事が忙しいこともあって,しばらく大阪の友人たちとも近年疎遠になっていたが,久々の再会を喜び合うのと同時に,こういう形で再会したことに,「ああ,ご住職に会わせていただいたのかなぁ,また世話になっちまった」と神妙な心地がした.

 福知山京都府)在住の友人に送ってもらって家に着いたのは,深夜の2時前だった.風呂に入って,書斎でメールのチェックをしている時ふと窓に目をやると,季節遅れの蛍が一匹網戸にとまって淡い緑の光を灯らせていた.交配を終えて新しい生命を育み,ほとんどの蛍たちが逝ってしまったこの時期,これが今年の見納めになるだろうか.

 せつなくもはかない蛍の送り火に合掌した.