【ねこまたぎ通信】

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 正義と民主主義をもたらすはずの軍隊のやったこと Abu Graib刑務所収容者の供述 2004年6月1日 供述調書翻訳チーム 9

Abu Ghuraybアブグレイブ)刑務所について

1、 1960年に英国の建設業者によって建設された。バグダットの西32kmのところ、ファルージャとバグダットの中間地点の通称バクダット街道沿いにあるイラク最大の政治刑務所。広さは約1.15 平方kmで24の監視塔がある。コンクリート壁で五つのエリヤに仕切られている。サダム・フセイン体制下ではバグダット中央刑務所・中央矯正施設として存在し、拷問で有名であったため『サダムの拷問本部』と呼ばれることもあった。
2、 2003 年4月にバグダッドが米英軍によって陥没するまでの約25 年間、処刑や虐待などが続き、数十万人ものイラク人が犠牲になったと推定されている。フセイン政権が崩壊した現在では、アメリカ軍がアブグレイブ刑務所を管理し、アメリカに対する軍事的抵抗などの容疑で7000人以上の捕虜を収容している。しかし、収容は令状によって行われるわけではない。反米勢力の武装蜂起が続く中、駐留米軍は治安維持や情報収集などを目的に日々1000件以上のパトロールや家宅捜索を行っている。米兵に不平を言っただけで数カ月も拘束されているイラク人も含め、5月30日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、数百人のイラク人が、駐留米軍に治安上の脅威を与えるとの十分な証拠もないまま、バグダッドアブグレイブ刑務所に長期間拘束されていたと指摘する米陸軍の内部報告書を入手したと報じた。現地の司令官の判断で、普通の市民も拘束をされるのである。
3 この供述調書に現れている事態は明らかにジュネーブ条約に違反する非人間的な悪魔の行為である。言葉にできないような拷問に関し、米軍は何人のイラク人を泣かせたかのコンテストまで開いていた。
ニューヨーク・タイムズ(電子版28日付)は、キューバグアンタナモ米軍基地の尋問チームがイラクへ派遣され、収容者を取り調べる情報将校の訓練などで重要な役割を果たしていた旨、複数の米国防総省当局者の話として報じた。米国は同基地に収容しているテロ組織アルカイダのメンバーやタリバンらには、戦争捕虜の人道的扱いを規定するジュネーブ条約は適用されないと主張している。23日付の同紙は、赤十字国際委員会(ICRC)が昨年11月、アブグレイブ刑務所の虐待を米軍に警告した報告書を出した後、米軍が当時の管理責任者カーピンスキー准将の署名入りで「イラク人収容者の多くはジュネーブ条約の保護規定を適用する資格がない」と主張する極秘の書簡をICRCに送っていたと報じている。書簡は12月24日付で、「重要な情報を得るため」にイラク人収容者を一部隔離し尋問することは「軍事的必要性」があると強調。治安維持に脅威を与えるような拘束者に対しては、通常の戦争捕虜や犯罪人とは異なる扱いができるとの見解が示されている。
3、 米軍の組織的虐待はこのことからも明らかであり、ひとえにイラク戦争の不正義を物語っているといえよう。
文 責 上 山 勤